こんにちは。
事例紹介シリーズ・パワハラ編第3回をお届けします。


前回までは、お局様の総務部長がパワハラをするせいで、毎年多額の費用が無駄になっていた山田工業のお話をご紹介しました。
その後、顧問税理士は心理カウンセラーを紹介。さて、心理カウンセラーはこの大問題をどのように解決したのでしょうか。

*前回の記事はこちら

 

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心理カウンセラーは、まず、社長、専務と続けて面談を行いました。
「総務部長は私の父の代から勤務していて、もちろん私より年上です。何かというと父のことを持ち出すので、私は逆らえなくなってしまいました。ここだけの話ですが、私の不倫のことも知っていて、従わなければバラすぞと言われています。もうバレてるので、実害はないんですが」
専務も、同様の回答でした。

また、社員全員のストレスチェックを行い、ストレス度が極端に高かった総務部員3名とは面談しました。そこで、彼女らは異口同音に言いました。
「次の就職があるかどうかわからないので、本当は辞めたくないのです。でも、あれだけ嫌がらせをされると、続けることは難しいと感じています」

カウンセラーは、再び社長と専務と話し合い、次のように決めました。
「総務部長の仕事をラインナップし、顧問税理士の委託した人に代行してもらって、正常に業務が行えることを確認する。部下3名に協力してもらい、部長の行状をすべて洗い出し、必要に応じて監視カメラで撮影する。社長・専務もボイスレコーダーを持ち、脅し文句をすべて録音する」
この段階が予定どおり実施できたことを確認して、次の段階に移ります。

カウンセラーがお局様と面談して、社員のストレスや退職について意見を聞きました。
「本人の勝手な都合ですよ。みんなちょっとのことが我慢できなくて。私が総務部長なんですから、すべて私の指示に従うのは当たり前のことです。人が辞めるんですから、求人費用がかかるのはしかたないですよね。改善?向こうが悪いんですから、どうしようもないでしょう?」

この面談内容を受け、社長がお局様に対し、部下に対する対処方法を変えるように指示しました。お局様は烈火のごとく怒り、浮気をバラすと脅しました。

お局様に改善する気持ちがないことを確認したうえで、社長は工場の修理部門にお局様を異動させました。修理といっても、返品された製品について問題のある箇所をメモするだけで、誰がやってもできる仕事です。
「どうしてベテランの私がこんな仕事を…完全な嫌がらせよね!」お局様は、わざと問題点を落としたり、異なる内容をメモしたりしました。また、腹を立てて、製品を床にたたきつけてこわしたこともありました。ただ、これらは後工程の従業員がすべてチェックし、社長から真面目に取り組むように何回も指示がありましたが、お局様は従いませんでした。

これを受けて、社長はカウンセラーの顧問弁護士に依頼し、お局様を懲戒解雇する手続を行いました。これにより、お局様に支払うはずだった退職金1000万円も支払わずに済むことになりました。
山田工業はお局様に代わる総務部長を雇い、カウンセラーに紹介されたシステムエンジニアに依頼して経理と給与計算を省力化できるシステムを作りました。これにより、部下は退職した1名を補充する必要もなく、大幅なコスト削減と社員ストレスの改善を行うことができました。

お局様は怒って会社を訴えてきましたが、弁護士に依頼して法律に沿った解雇手続を行っていたため、問題なく勝訴することができました。多少弁護士費用はかかりましたが、ずっとお局様が無駄遣いをしているよりはるかに少ない負担で済みました。

まともな総務部長の下で、部下2名は生き返ったように元気に働き始めました。再度行ったストレスチェックでは、ストレス度は劇的に改善。部下3名でもまわらなかった作業は2名で時間が余るほどになり、育児のための短縮勤務体制もつくることができました。工場や営業からも、「総務の対応がよくなった」と好評。経費が節減できたので、再び利益を出すこともできるようになりました。

いかがでしたか?
人間関係の悪化が経費の増加や売上減少につながっている例はいくらでもあります。「我慢が足りない」などと思わず、できるところから改善していきましょう。
当社の心理カウンセラーは、さまざまな専門家とつながっています。お役に立てることも、きっとたくさんありますよ。