こんにちは。
事例紹介シリーズ・パワハラ編第2回をお届けします。

人間関係の問題を放置しておくと、本当に会社の業績に影響することがあるのでしょうか?
実際に直接の影響があった事例、お局様の総務部長のパワハラで社員がすぐに辞めてしまう会社のお話の続きです。

*前回の記事はこちら

 

*****

山田工業は機械部品の製造をしています。この業種は利益率が高く、製品がよく売れている間は無理をしなくても何とか経営が成り立っていました。

ところが、中国や東南アジアなどの新興国が力をつけてきて、山田工業と同等の製品を安く作れるようになりました。技術力ではまだまだ山田工業のほうが上なのですが、数分の1という価格にひかれて、得意先はだんだん離れていくようになったのです。

「うちも、もっとコストカットしないとダメだ!」社長と専務は工場に号令をかけましたが、工場ではとっくの昔からコスト削減にはしっかり取り組んでいます。「これ以上経費を削ったら、品質が落ちてしまいます。ますます新興国に勝てなくなるだけです」工場長に言われて、社長や専務は頭を抱えてしまいました。

「あんた、また入力ミス?何回やったら気がすむの!」会議室からお局様が部下をしかる声が聞こえてきました。
「ああ、また総務で人が辞めるな…求人広告出さなきゃ…求人費用って、年間でどのくらいかかってるんだろう?」専務は、ふと思いついて、顧問税理士に電話をしてみました。
「前年度にかかった求人費用?集計ならできるけど…総務部長から、『もう先生は結構です』って言われたら困るんだよね」税理士も、お局様には遠慮している様子でした。
「ご迷惑はおかけしません。どうか、よろしくお願いいたします」


税理士が算定した結果を見て、社長も専務ものけぞってしまいました。

  • 求人広告費 年6回 合計              200万円
  • つなぎのアルバイト代 延べ10か月分 合計  150万円

「えっ!年間350万円…これって、人がしょっちゅうやめなければ必要ない費用ですよね」

「そうですよ。おまけに、もっといらないのが総務部長の給料、年間800万円ですよ」

「え…」

「彼女は、部下に命令したり文句をつけたりしてるだけで、ほとんど仕事はしていないんです。御社くらいの規模だと、総務は部長を入れて3名でもなんとかなります。手計算のところをシステム化すれば、何年でも使えます。社長と専務がもうちょっと面倒をみてあげれば済むことです」

「そうなんですか!」

「御社の規模なら、年間600万円も出せば総務部長は来てくれるでしょう。これでマイナス200万円。加えて、辞めた人を補充しなければ、年間350万円が浮きます。合計550万円。社会保険料の会社負担部分も入れると、節減効果はもっとありますね。ただ、部長に辞めてもらうのは簡単ではありません」

「そのとおりです…どうしたらいいでしょうか?」


~続く~

 

*****

山田工業、いったいどうなってしまうのでしょうか。
この続きは、9月11日(金)更新予定です。お楽しみに!