ストレスとの付き合い方(その六)

ストレスにはじわじわやってくるものと、ある日突然やってくるものと大きく2つのパターンがあるかと思います。特に突発的なストレスには下記のような反応が考えられます。
- 予測不能な出来事はストレス反応が過剰になりやすい
- 自然災害やアクシデントは自分のコントロールを超え無力感を感じやすい
- 突発的なアクシデントによる日常の破壊から心の拠り所や安心感の破壊
実は、自分自身にとっては危機とも言える大事件が発生してしまったのです。以前ご紹介した「ストレスとの付き合い方(その四)」では、私とオートバイの関わりを瞑想やマインドフルネスと関連づけて記事を書かせていただきましたが、その大好きなオートバイで転倒してしまい、複数箇所骨折したことから始まります。まさにストレス真只中の約半年間を過ごし、現在もリハビリ続行中なので、この経験から少しでも皆さんにストレス解消のヒントを掴んでいただければと思います。過去の「ストレスとの付き合い方」記事はコチラからご覧ください。
執着から始まる
キッカケはふとした油断で発生した転倒です。オートバイのアクシデントでは「転倒してしまったら、オートバイから手を離す」という鉄則が脳みそにインプットされていたはずですが、残念ながら、今回全く生かされませんでした。転倒の際に、私はハンドルからは手を離さずに、そして足で地面に踏ん張りました。さっさと手を離していれば私は怪我をすることはありませんでした。ところが私の頭の中には2つの執着がありました。1つ目は、虎の子のオートバイを傷つけたくなかったことです。2つ目は、過去40年近く無事故・無違反・無転倒という大切ではあるけれどこうした際には忘れた方が良い執着がありました。
身をもって体験してしまった物理学
骨の部位にもよると思いますが、背骨を構成する椎体の場合、静的な状態では骨密度が正常な人であれば600kg(6kN)まで耐えうるとのことですが、仮に尻もちをついた場合、体重50kgの方で325kgから450kgの圧力がかかるそうです。これは仮に体重100kgの場合、健常者でも骨折強度に達します。今回同じ条件ではありませんが私のオートバイは200kgを超える重量となっていました(悲しいことにガソリンも満タンでした。。。)。単純計算ですが骨折強度の倍以上に達していたと考えられます。そして、これはオートバイに限らず、自分自身では抗えない大きなストレスには体当たりしてしまうと、大きなダメージを受けてしまうという物理法則を身をもって再学習したのでした。
※骨の強度に関してはコチラを参考にさせていただきました。
痛みは大事なセンサー
実は複数箇所骨折していたにも関わらず、その日一晩は痛みを感じつつ普通に過ごし、夜入浴時には「なんか痛くて髪の毛を洗うのが大変」という認識でした。年を取ると日頃あっちこっち痛くても慣れっこになってしまっていたようです。さらに、翌日は普通に出社してしまっていました(後から考えると何とも恐ろしいw)。仕事中はキーボードを使いますからだんだんじわじわ痛みの強度が増してきました。とうとう我慢しきれず半休をいただいて最寄りの病院へ行った結果、今回の骨折が判明したのです。ところで、身体の痛みはハッキリわかるので良いのですが、心の痛みはじわじわ慣れっこになってしまい、気付くと相当悪化していたなんて事があるのではと、あらためて感じました。更に脱線すると現在はまっている漫画「Shrink」では、精神科医の先生が患者に「辛さ・苦しさ」の強度を記録させて治療に繋げているのですが、認知の大切さを感じます。
不幸中の幸い
不幸な出来事の中でも、手術をせずに済んだことは不幸中の幸いでした。衝撃は6kNを超えていたわけですが、人体の耐えうるとされる12kNは超えていなかったこともそうです(大げさw)。なお、手術(セメントで固める、ボルトで固定等)をするかどうかは主治医の先生から、私自身の判断に委ねられました。それぞれメリット・デメリットはあり、最悪のケースは、手術をせずに保存療法で進めてみたけれど経過が悪く後から手術という場合でした。ですから、手術をしないという選択は覚悟がいるものでした。一瞬頭の中で入院して「休みたい」(休めるのか?)気持ちが頭を一瞬かすめましたが、有給休暇も残り少なく、生活もかかっていますからそうそう休めない、という究極の選択肢の中での選択でした泣。とはいえ、選択肢があるうちはまだどん底ではありません。こうした不幸な出来事が起きた時には、「それでもましだった」という少しだけポジティブになる思考もお薦めしておきます。
執着からの切り離し
オートバイはこの40数年間、一瞬たりとも手放したことがなく、他のネガティブな出来事も忘れさせてくれる唯一の趣味でした。ところが当分乗れないばかりか、今後乗って良いのかも含めて身体的な状況以上に段々に暗雲のように立ち込めてきました。今年は車検だし、もうすぐ税金もくるし、任意保険も更新だなぁ。。。と。家族に迷惑をかけた面もあり、非常に乱暴な判断なのですが、オートバイを降りることにしました(後で拙速な判断だったかなぁとグルグル考えてしまう点でしたが)。一旦決めると、そこからはとても早かったと思います。その週のうちにオートバイは売却しておりました。オートバイもゆっくり業者を選定して売却すれば良かったのですが(実は立ち会いも辛かったのもあります)、長年私の生活に光を灯してくれたオートバイ自体がストレッサーとなってしまっていたのでした。
思考のループからの解放
実は私は骨折以降のこの半年間に大小合わせて20回ほどの講習会の講師となることが予定されており、このうち17回分は日にち(骨もくっついていない時期でした)まで決まっておりました。資料制作、コンテンツ制作などもあり、休むに休めない状況でした。なんで〜?という心の悲鳴と共に、「できる範囲で頑張ろう」という気持ちが自らを助けたように思います。
忙しさがプラスに作用
この忙しさがプラスに作用したと考えられるのは以下の3要素でした。
- ネガティブな思考ループからの解放
- 役割や存在意義の再確認
- 生活リズムの維持
副作用
今回のケースではたまたまプラスに作用したと考えているのですが、下記のような副作用があるので要注意です。
- 本当の心の問題を「先送り」にしている可能性。忙しさは「麻酔」にはなっても「治療」にはならないこともあり、この「麻酔」が切れた時に疲れが一気に噴出してしまう場合もあります。
- 無理をしすぎると逆効果に。「頑張ることで心のバランスを取っていたけど、ある日突然燃え尽きた」というケースも少なくありません。無意識に自分を追い込みすぎないように注意が必要です。
最後に
弊社の従業員は6ヶ月に一度、B-Brainという脳活用度診断を行なっており(私自身もインストラクターです)、前回は昨年の11月に診断しておりました。今回の骨折を考えるとストレスだらけですから、ストレス耐性の低下を懸念していました。従来からストレスに弱いガラスのハートでしたからw
そして直近で5月に診断の結果・・・なんとストレス耐性の数値が上がっていたのです。
ストレス耐性アップのヒント
今回、なぜストレス耐性がアップしたか?について下記のような考察をしています。皆さんのストレス対応のヒントになれば幸いです。
- 仕事が忙しく負の思考ループに陥らずに済んだこと(メンタルヘルスマネジメント検定の知識が生かされた)
- 自分の仕事は価値がある仕事と考えたこと(B-Brainの左脳3次元の診断結果数値から)
- もともとストレス耐性が低いことを認識していた(B-Brainのストレス耐性診断結果から)
- 以前、カウンセリング(弊社浅賀から)で「逃げることも重要」とアドバイスを受けていた(自分自身のモットーは「逃げない」だったw)
- 細かなことが降り積もると身動き取れにくくなる特性を認識していた(B-Brainの左脳2次元の診断結果数値から)
- このため早期にストレス源からの切り離しを考えた(メンタルヘルスマネジメント検定の知識が生かされた)
- モチベーションの課題を認識していたため、今回自分自身を褒め続けたw(B-Brainの動物脳プラスの診断結果から)
- 日々規則正しい生活をした(メンタルヘルスマネジメント検定の知識が生かされた)
B-Brainをご活用ください
皆さんも、こうした変化や出来事があった際には、心のコンディションに目を向けてB-Brainでチェックされてみてはいかがでしょうか?私の場合は、B-Brainによる診断が「転ばぬ先の杖」になったとあらためて認識しています。また、近年の厳しい暑さは身体のみならず、心にもダメージを及ぼすことがあります。是非、ご自身の身体とともに心にも目を向けていただければと思います。そして、今回ご説明させていただいたような変化があった場合、仮に「私は大丈夫」と思っていても、見えないところで心や脳には変化があるかもしれません。そうした際には、是非B-Brainをご活用ください。
フィードバック付きがオススメ
弊社従業員の定期的なB-Brainテストでは、従業員のインストラクターがフィードバックを行います。私自身もインストラクターなので他のインストラクターからフィードバックを受けるのですが、その中で今回気付きがありましたのでご紹介します。前述の「モチベーションの課題を認識していたため、今回自分自身を褒め続けた」について、インストラクターのフィードバックから気付いたのです。年を重ねていくと「出来て当たり前」になってきて人から褒められることはまずありません。今回コンディションが悪い中でもモチベーションをつかさどる動物脳プラスもアップしていたためインストラクターと対話する中で気付いた点となります。経験や年齢を重ねると自分自身で納得しないとなかなか受け入れられない事も多いかと思います。こうした時に自ら気付いたものの方がより効果的だと感じます。という事で、フィードバック付きのB-Brainテストを強くお勧めします。なお、インストラクターは指名可能ですので是非ご活用ください。
補足
写真は忍野八海へ行った際の写真です。波風が立っていない時は水底までくっきりと見えますが、少しでも波風があると水面から下は見えません。B-Brainの診断もあえて平時の波風のない時に診断することも、変化があった際に、表面には見えないものが見えるかもしれません。一方で、人間の脳と同じく逆風の時にこそ、その人の本質が見えてくるかもしれませんね。
※ 本記事については個人の考えであり会社を代表する考えではありません。また、専門的な助言を行うものではございません。お客さまが本サイトの情報を用いて行う行動や解釈について、いかなる場合も一切の責任を負いません