キャリアとメンタルヘルス

正直に告白すると、私にとって「キャリア」という言葉は、どこか古い記憶と結びついています。
官庁のシステム開発に関わっていたこともあり、「キャリア/ノンキャリア」という区分を連想してしまうのです。少し世代が古すぎるかもしれません(汗)。
しかし現在、「キャリア」という言葉は単なる肩書きや職歴ではなく、働き方や生き方を含めた、より広い概念として使われるようになっています。
一方で、今回のテーマである「キャリア」と「メンタルヘルス」は、一見すると別々のテーマのようにも感じられますが、この二つは切り離して考えることができない、表裏一体の関係にあると考えています。本記事では、セカンドキャリアも含めた視点から、「キャリアとメンタルヘルス」について掘り下げていきたいと思います。また、ここでの「メンタルヘルス」は、ワーク・ライフ・バランスにおける「ライフ」の重要な要素の一つとして書いていきたいと思います。
キャリアとメンタルヘルスは別物なのか?
キャリアを考えるとき、私たちはつい「仕事の話」に偏りがちです。
一方で、メンタルヘルスは「私生活」や「個人の問題」として切り分けられることも少なくありません。
しかし実際には、仕事の満足度やパフォーマンスは、心身の状態に大きく左右されます。
キャリアの問題だと思っていたことが、実はメンタルや私生活に起因していたり、逆にメンタルの問題だと思っていたら、仕事内容や役割のミスマッチが原因だった、というケースも多く見られます。こうしたケースを考えると、キャリアとメンタルヘルスを別々に扱うこと自体に、無理があるのではと感じます。
ワーク・ライフ・バランスをどう捉えるか
ワーク・ライフ・バランスという言葉については、さまざまな議論があります。
高市首相が自民党総裁に選出された直後、「ワークライフバランスという言葉を捨てます」と発言し、賛否両論を呼んだことも記憶に新しいところです。
では、「キャリア」を考えるとき、ワーク・ライフ・バランスはどこに位置づけられるのでしょうか。
私はこの点について、以前から自分自身に問い続けています。
2007年に策定された「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」には、次のような一文があります。
仕事と生活の調和が実現した社会とは、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」である。
この一文を読むと、「仕事」と「生活」を対立するものとしてではなく、人生全体の中で調和させていくものとして捉えていることが分かります。
まさに、キャリアとライフは表裏一体なのだと思います。
ワーク・ライフ・インテグレーションという考え方
ワーク・ライフ・バランスは、仕事と生活を一度切り分けたうえで、バランスを取ろうとする考え方です。
一方で、近年ではそれをさらに進めた「ワーク・ライフ・インテグレーション」という概念も注目されています。
これは、仕事と生活を無理に分けるのではなく、相互に影響し合うものとして統合的に捉える考え方です。
働き方の多様化が進む中で、こうした視点はますます重要になっていると感じます。全くの私見ですが、高市首相の言葉は、仕事と生活が互いに相乗効果がありスケールさせていくもの、と考えると「ワーク・ライフ・インテグレーション」という言葉に置き換えて考えることもできるのではないかと感じます。
パフォーマンスが発揮できないときに起きていること
現在、パフォーマンスを十分に発揮できていない、あるいはメンタルヘルスが良好でない状態では、「ワーク・ライフ・インテグレーション」と言われても、現実的には難しいものがあります。
特に、定年を迎える年齢に差し掛かった方や、定年後に再就職した方にとっては、待遇の変化も含め、やりがいを見出すこと自体が簡単ではありません。自分の能力が活かせているのか、それが組織の中で評価されているのか。こうした問いに向き合うことは、非常に難しい課題で、「ワーク・ライフ・インテグレーション」以前の問題です。中でも、仕事の満足度に大きく影響するのは、フィジカル面とともにメンタル面の状態ではないでしょうか。年齢に関わらず、心身ともに健康であることは、何よりも大切な前提だと感じています。
相談相手が見つからないという現実
こうした課題に、個人だけで向き合おうとすると、思いのほか難しいものです。
なぜなら、問題の原因が「キャリア」にあるのか、「メンタル」にあるのかを、一人で切り分けることは簡単ではないからです。
ストレスチェックでメンタルの状態は測れても、キャリアの適性は分かりません。
また、適性検査でキャリアの方向性は見えても、メンタルヘルスの状態までは分かりません。
さらに、職場や身近な人の中で、キャリアとメンタルヘルスの両面からアドバイスをもらえる存在は、そう多くありません。
この点に、支援資源の限界を感じることも少なくありません。
心理的な安全領域から出て挑戦するということ
モヤモヤと課題が解決しない。こういう時に人は本能的に守りに入ってしまいます。あるいはフリーズしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、守りに入りすぎると、成長の機会を得にくくなるのも事実です。負のスパイラルから抜け出すことは容易ではありません。
少し話は大きくなりますが、「失われた30年」という言葉がありますが、日本全体だけでなく、自分自身に当てはめた場合でも負のスパイラルの中でも成長してこられただろうか、と考えることがあります。
アメリカの企業人事の世界では、「Out of your comfort zone(心理的な安全領域から出て挑戦する)」という言葉がよく使われるそうです。
現状維持では成長しにくいという指摘は、確かに一理あります。
ただし、ここで重要なのは、挑戦には前提条件があるという点です。
挑戦の前提としての心身のコンディション
例えば、誰か気になる人がいたとして、一歩踏み出して話しかけなければ何も始まりません。
これはキャリア理論の一つである「計画された偶発性理論」にも通じる考え方です。
しかし、心身のコンディションが整っていない状態での「挑戦」は、成長ではなく消耗につながることもあります。
挑戦の前にはしっかり準備する、そのために、自分の状態を正しく把握することが重要なのです。心身の状態が整っていない状態で挑戦したり、判断することはとても危険ですよね?
キャリアとメンタルヘルスを“同時に見る”という視点
モヤモヤと解決しない課題に直面したとき、まず必要になるのは、答えを出すことではなく、状況を整理する視点ではないでしょうか。
(こういう時に、まず決めてしまえば楽になるという人もいるかもしれませんが……)
私自身、キャリア支援やメンタルヘルスに関わる中で、自分自身も含めて感じてきたのは、多くの人が「モヤモヤの正体が分からないまま」立ち止まってしまっている、という現実です。
ここで、あらためてB-Brain診断をご紹介したいと思います。
B-Brain診断は、脳医科学をベースに開発され、人の思考特性やストレス状態を数値化して可視化できる、キャリアとメンタルヘルスを両面から捉えることができる診断ツールとなっています。キャリアとメンタルヘルスの全体を俯瞰し、また相関関係のある両者に引いた補助線のような位置づけのものです。人の心は千差万別ですから、特定のパターンにはめるものでもなく、課題解決のヒントになるものと考えています。
脳タイプ診断では、思考の癖や適職の傾向が見えてきます。
また、脳活用度の診断では、ストレス耐性や、脳タイプと合わせてどのような要因にストレスを感じやすいかを把握しやすくなります。
さらに、人間関係においても、脳タイプを通じて「理解しづらかった相手の思考の癖」を知る手がかりになります。
最後に:相談のハードルを下げるために
私自身の実感として、「キャリア相談」は比較的しやすい一方で、「メンタルヘルスの相談」には高いハードルがあると感じています。
B-Brain診断は、キャリアの適性とメンタルヘルスの状態を同時にチェックすることで、
相談の入口を広げ、カウンセリングのハードルを下げるツールとしても活用できます。
キャリアとメンタルヘルスは、どちらかを整えればもう一方が自然についてくる、という関係ではありません。
キャリアか、メンタルか。どちらか一方で悩みを抱え込む前に、両面から自分を見つめ直すきっかけとして、役立てていただければ幸いです。
B-Brain診断について詳しくはコチラ
補足)今回のイメージ画像は、ChatGPTに記事を読んでもらい対話しながら作成してもらったものです。ストック画像やイメージ生成ツールでは、「キャリア」や「メンタルヘルス」というキーワードを入れるだけで堅いものや暗いものが出てきてしまうのですが、明るくて好きな画像になりました。
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