埼玉しごとセンター「ストレス社会を生き抜くための心理学講座」開催報告

2026年10月16日、埼玉しごとセンター主催「ストレス社会を生き抜くための心理学講座」が開催されました。本講座は、厚生労働省埼玉労働局委託事業「若年者地域連携事業セミナー」として定期的に開催されているものです。前回の開催に引き続き、今回も定員50名を大きく上回る88名のお申し込みをいただきました。多くの方にご関心をお寄せいただき、改めて「ストレスとの向き合い方」が働くうえでも日々の生活においても、身近なテーマであることを感じる開催となりました。

39歳以下向けの講座に、幅広い世代が集まった

本講座は、本来は39歳以下の若年者向けとしてご案内しているものです。ところが今回は、40歳以上の方も相当数お申し込みくださり、60歳以上の方もいらっしゃったと伺いました。

ストレスとの付き合い方は、年齢やキャリアの段階に関係なく、誰もが「今、知りたい」テーマなのだと改めて感じました。若手の方なら初めての職場や人間関係への適応、ミドル世代なら責任や役割の変化、シニア世代なら働き方の転換。悩みの中身は違っても、「変化の中で、自分を保ちながら働き続けたい」という思いは共通しているのだと思います。

ストレスの仕組みを知り、自分に合うセルフケアを持つ

講座の前半では、まずストレスの仕組みを整理しました。ストレスを「ボールを押さえつける力」にたとえると、押す力(ストレス要因)、跳ね返す力(ストレス耐性)、ボールの歪み(ストレス反応)の3つに分けて考えることができます。そして、ストレス状態を放置すると、やがて心身の不調につながりかねません。だからこそ「早期発見、早期対処」が大切です。

そのうえで、自律神経を整える、睡眠を確保する、呼吸法(4・7・8呼吸法)、身体を動かす、五感に働きかける、好きなことをする、という6つのセルフケアをご紹介しました。

「好きなことをする」のパートでは、「屋内/屋外」「1人/2人以上」の4つの枠に、自分が好きなことや気分転換になることを書き出す個人ワークを行いました。その後、4〜5名のグループに分かれてブレイクアウトルームでシェアし、最後にチャットで全体共有。他の方の答えを聞くことで「それもいいな」と自分のリストが増えていくのが、このワークの醍醐味です。

人間関係のストレスには「視点」と「向き合い方」を

厚生労働省の調査では、強いストレスを感じている人の約3割が、その内容として「対人関係」を挙げています。後半は、職場の人間関係をテーマにお話ししました。

理不尽な言動を受けたとき、「なぜこんな態度を取られなければならないのか」と考えがちですが、「何が相手にそうした言動を取らせているのか」に目を向けると、少し冷静になれます。また、ペーシングや伝え返しなど、ラポールを築きやすい会話のコツもご紹介しました。「なぜ私があの人に合わせなければいけないの?」と思うかもしれませんが、それは相手のためではなく、自分自身のストレスを減らすためでもあるのです。

相手を理解するためには、自分視点だけでなく、相手視点や第三者視点を持つことが欠かせません。相手が何を求めているのか、どんな価値観を大切にしているのか、自分が誤解していることはないか。そうした問いを立てるうえで役立つのが、診断ツールです。

講座では、脳の使い方の傾向から自分と相手の思考・行動パターンを読み解く「B-BRAINテスト」と、自分の怒りの傾向やこだわりの「べき」を知ることができる「アンガーマネジメント診断」をご紹介しました。自分のタイプを知ることは、相手との違いを「性格が合わない」ではなく「脳や価値観の使い方が違う」と捉え直すきっかけになります。

どちらも当社で実施しておりますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。
・B-BRAINテスト:https://www.verite-office.jp/b-brain/
・アンガーマネジメント診断:https://www.verite-office.jp/about-anger-management

さらに、問題に対して「戦う」「気にするのをやめる」「あえて距離を取る」など、向き合い方そのものを自分で決めることの大切さもお伝えしました。

「話すことは、離すこと。話すことは、放つこと。」

講座の終盤では、「相談する相手を持つ」ことをテーマに、もう一度個人ワークの時間を取りました。キャリア、家族、職場など悩みの種類ごとに「誰に相談できるか」を書き出していただくものです。書いてみると、意外と相談先が思い浮かばない分野があることに気づく方も多いのではないでしょうか。

講座でご紹介した「もっとも簡単なストレス公式」は、「問題(悩み)÷リソース(資源)=ストレス」です。問題そのものを小さくできなくても、頼れる人や場所というリソースを増やせば、ストレスは小さくなります。実際、厚生労働省の調査でも、相談した人のうち「解消した」が33.1%、「気が楽になった」が56.2%にのぼっています。悩みが解決しなくても、話すだけで心は軽くなるのです。

そして最後にお伝えしたのが、「話すことは、離すこと。話すことは、放つこと。」という言葉です。主催者の方のブログでも取り上げていただき、とても嬉しく思いました。

代表はじめ、当社で大切にしているのは、限界になってから相談するのではなく、元気なうちから話すことです。体の健康診断のように、心やキャリアにも定期的な点検の機会があっていい。当社ではこれを「キャリアの健診」と呼んでいます。相談は最後の手段ではなく、自分を整えるための最初の一歩なのです。

最後に

これだけ多くの、そして幅広い世代の方にお申し込みいただいたことは、「ストレスとの向き合い方を学びたい」というニーズの大きさの表れだと受け止めています。

一人で抱え込まず、話せる相手を持つこと。それは家族や友人、職場の仲間でもいいですし、キャリアコンサルタントのような専門家でもかまいません。今回の講座が、そのきっかけになっていれば幸いです。

ベリテワークスでは、企業・団体向けのメンタルヘルス研修やキャリア研修のほか、B-BRAINテストやアンガーマネジメント診断を活用した個人・チーム向けのフィードバックも承っております。お気軽にお問い合わせください。